芸能情報 エンタメ
2010年01月05日 (火) 18:21
2009.12.26 Mr.Children @ 東京ドーム
pic by 渡部伸pic by 渡部伸1 年前に出た最新アルバム『SUPERMARKET FANTASY』のリリース・ツアーで、福岡・札幌・名古屋・東京の5箇所11公演に及ぶドーム転戦のシメ、24・26・27日東京ドーム3デイズの2日目。なので、3日目=27日の公演が終わってからアップしました。ご了承ください。
1曲目、ステージから長く伸びた花道に、桜井がひとりで現れ、“声”を歌い始めたところから、アンコール2回目のラスト=24曲目の“GIFT”の「♪ラララー」の大合唱が終わって、楽器を置いて、サポートメンバーの2人=キーボード小林武史とコーラス&アコースティック・ギターのナオト・インティライミを紹介して、2人が去ったあと、メンバーも紹介して、4人で花道へ出て、手を振ったりなんかしてあいさつしてステージを去るまで、2時間半弱、全24曲。本当に濃密な時間でした。セットリストは、こんな感じ。
1.声
2.ラヴ コネクション
3.Dance Dance Dance
4.Worlds end
5.HANABI
6.ロードムービー
7.風と星とメビウスの輪
8.ALIVE
9.LOVEはじめました
10.Monster
11.ニシエヒガシエ
12.CANDY
13.Simple
14.Drawing
15.彩り
16.fanfare
17.箒星
18.名もなき詩
19.エソラ
20.声
21.終わりなき旅
アンコール
22.365日
23.and I love you
24.GIFT
まず、演出が、もうおそろしいことになっていた。ステージセット自体は、たとえばお城をかたどっていたり、たとえばコロシアムになっていたりするような、装飾的なものではない。照明や映像出しの都合を優先した、機能的でシンプル極まりない形。
ただし。ステージの規模自体が、ばかでけえ。端から端まで走ったら息が切れそうな規模。照明もすごい。ドーム全体のあらぬところにスポットやライトが仕込まれていて、それが曲がキメやブレイクのたびに、「バシッ!」「ビカッ!」とドーム内に光と色を描いていく(そう、「照らす」んじゃなくて「描く」と言いたくなるさまなのです)。
そして、ステージ後方は、全面LED。もうこれ、どうすごいか、言葉で説明するのが不可能です。ステージ後方の壁が、曲によって、メンバーの姿を映したり、VJが出す映像になったり、電飾模様みたいになったりするんだけど、たとえばその「メンバーの姿を映す」というのも、そのたびに映す範囲と、映す形が変わるのだ。予測がつかないのだ。だから、いちいちびっくりするのだ。
LEDというのは、画面であり、照明であり、装飾であることを証明する、そんな演出でした。もう、万能。魔法のよう。特に後半がすごかった。曲が始まるたびに「ええっ、そんな使い方あるの?」「えっ、まだその使い方出してなかったんだ?」と、いちいち驚いてました、私。
ただし。それをして、すごいライブだったと思ったわけではない。むしろ逆に、「人力」「肉体」「マインド」の部分が、すごいライブだったのだ。
桜井、すげえ。頭っから最後まで、ものすごいテンションと気合い。そして、ものすごい、体力と気力と精神力の使いっぷり。このライブ終わった瞬間に倒れるんじゃないかってくらい。もしくは、仮に、このツアー終わったら3年間の活動休止が発表されました、って言われても、「ああ、だからか……」と納得しそうな勢いだった、ほんとに。
終始笑顔だし、楽しそうではあるんだけど、途中からもう、僕には桜井が「ミュージシャン」とか「ボーカリスト」には見えなかった。アスリートだった、完全に。
いくつ? この人。キャリア何年目? ありえない。でもやっている。ゴンやカズが、実力でもって、いまだに日本代表に選ばれているような状態、と言っていい。
普通、このくらいのキャリアになって、このくらいの超大物になって、このくらいのありとあらゆる演出を使えるようになったら、こんな捨て身なライブのやりかたはしなくていいはずだ。なのに、キャリアとか規模がでかくなればなるほど、どんどん剥き身な、フィジカルな、要は原始的なライブのやり方になっているのだ、この人は。ちょっと前のツアーから、ミスチル自体が、今のこの「メンバー4人とサポート2人だけ」「セットや演出に頼らない」というモードに変わったが、それがどんどん加速している感じ。
なんでか、はわからない。ただ、きっと、「こうしないと伝わらない」「この方法が一番伝わる」という確信が桜井にあることは、伝わってきた。そして、確かにそれは、その通り、見事に功を奏していた。
なんか、まいりました。と言うほかないライブだった。どこまで行くんだろう、この人。(兵庫慎司)
pic by 渡部伸pic by 渡部伸1 年前に出た最新アルバム『SUPERMARKET FANTASY』のリリース・ツアーで、福岡・札幌・名古屋・東京の5箇所11公演に及ぶドーム転戦のシメ、24・26・27日東京ドーム3デイズの2日目。なので、3日目=27日の公演が終わってからアップしました。ご了承ください。
1曲目、ステージから長く伸びた花道に、桜井がひとりで現れ、“声”を歌い始めたところから、アンコール2回目のラスト=24曲目の“GIFT”の「♪ラララー」の大合唱が終わって、楽器を置いて、サポートメンバーの2人=キーボード小林武史とコーラス&アコースティック・ギターのナオト・インティライミを紹介して、2人が去ったあと、メンバーも紹介して、4人で花道へ出て、手を振ったりなんかしてあいさつしてステージを去るまで、2時間半弱、全24曲。本当に濃密な時間でした。セットリストは、こんな感じ。
1.声
2.ラヴ コネクション
3.Dance Dance Dance
4.Worlds end
5.HANABI
6.ロードムービー
7.風と星とメビウスの輪
8.ALIVE
9.LOVEはじめました
10.Monster
11.ニシエヒガシエ
12.CANDY
13.Simple
14.Drawing
15.彩り
16.fanfare
17.箒星
18.名もなき詩
19.エソラ
20.声
21.終わりなき旅
アンコール
22.365日
23.and I love you
24.GIFT
まず、演出が、もうおそろしいことになっていた。ステージセット自体は、たとえばお城をかたどっていたり、たとえばコロシアムになっていたりするような、装飾的なものではない。照明や映像出しの都合を優先した、機能的でシンプル極まりない形。
ただし。ステージの規模自体が、ばかでけえ。端から端まで走ったら息が切れそうな規模。照明もすごい。ドーム全体のあらぬところにスポットやライトが仕込まれていて、それが曲がキメやブレイクのたびに、「バシッ!」「ビカッ!」とドーム内に光と色を描いていく(そう、「照らす」んじゃなくて「描く」と言いたくなるさまなのです)。
そして、ステージ後方は、全面LED。もうこれ、どうすごいか、言葉で説明するのが不可能です。ステージ後方の壁が、曲によって、メンバーの姿を映したり、VJが出す映像になったり、電飾模様みたいになったりするんだけど、たとえばその「メンバーの姿を映す」というのも、そのたびに映す範囲と、映す形が変わるのだ。予測がつかないのだ。だから、いちいちびっくりするのだ。
LEDというのは、画面であり、照明であり、装飾であることを証明する、そんな演出でした。もう、万能。魔法のよう。特に後半がすごかった。曲が始まるたびに「ええっ、そんな使い方あるの?」「えっ、まだその使い方出してなかったんだ?」と、いちいち驚いてました、私。
ただし。それをして、すごいライブだったと思ったわけではない。むしろ逆に、「人力」「肉体」「マインド」の部分が、すごいライブだったのだ。
桜井、すげえ。頭っから最後まで、ものすごいテンションと気合い。そして、ものすごい、体力と気力と精神力の使いっぷり。このライブ終わった瞬間に倒れるんじゃないかってくらい。もしくは、仮に、このツアー終わったら3年間の活動休止が発表されました、って言われても、「ああ、だからか……」と納得しそうな勢いだった、ほんとに。
終始笑顔だし、楽しそうではあるんだけど、途中からもう、僕には桜井が「ミュージシャン」とか「ボーカリスト」には見えなかった。アスリートだった、完全に。
いくつ? この人。キャリア何年目? ありえない。でもやっている。ゴンやカズが、実力でもって、いまだに日本代表に選ばれているような状態、と言っていい。
普通、このくらいのキャリアになって、このくらいの超大物になって、このくらいのありとあらゆる演出を使えるようになったら、こんな捨て身なライブのやりかたはしなくていいはずだ。なのに、キャリアとか規模がでかくなればなるほど、どんどん剥き身な、フィジカルな、要は原始的なライブのやり方になっているのだ、この人は。ちょっと前のツアーから、ミスチル自体が、今のこの「メンバー4人とサポート2人だけ」「セットや演出に頼らない」というモードに変わったが、それがどんどん加速している感じ。
なんでか、はわからない。ただ、きっと、「こうしないと伝わらない」「この方法が一番伝わる」という確信が桜井にあることは、伝わってきた。そして、確かにそれは、その通り、見事に功を奏していた。
なんか、まいりました。と言うほかないライブだった。どこまで行くんだろう、この人。(兵庫慎司)
2010年01月05日 (火) 18:19
2010.01.03 Base Ball Bear @ 日本武道館
三が日にめでたく、初の武道館単独公演という舞台に上がることとなったBase Ball Bear。ステージには大きな日の丸のバックドロップ、そして「LIVE;(THIS IS THE)BASE BALL BEAR」の公演タイトルが燦然と輝いている。小出は序盤のMCで「まあ僕としては2009年の12月34日みたいな気持ちなんですが」と言っていて、確かに正月気分ではなかっただろうし気持ちも休まらなかったはずだが、ロック・リスナーとしてはこういうライブが観れるということは大変に幸先がいいというか、客入れSEにフジファブリックの曲が流されていたりもするので余計に、頼むぞベボベ、という気持ちになってしまったりするのである。
唐突に場内の照明が落とされて大きな歓声が沸き上がり、4人のメンバーが晴れの舞台に登場する。小出が「ブドウカーン!!」といきなり雄々しいシャウトをぶちかまし、まずは“ドラマチック”からの演奏開始だ。オーディエンスは飛び上がりながらの盛大なハンド・クラップとシンガロングで、急激な上昇線を描くバンド・アンサンブルに喰らいついていく。《あぁ、熱くなれるだけ 熱くなりたい》というフレーズが、真冬の館内に充満する思いとシンクロするようだ。そして“SOSOS”ではステージ後方から放射される真紅のレーザーがダイナミックなロック・コンボを援護射撃し、湯浅の情感溢れるギター・イントロに導かれてスタートした“changes”はまさしく変革の瞬間を告げるように鳴り響く。ドラマー/堀之内はそのダンス・ビートを刻みながら、嬉しそうに笑顔を見せるのだった。
「今日は全力で駆け抜けて、最後には伝説にしたいと思ってますんで。……ひとつ言っていいですか?今日、親が観に来てるんですよ。なのでこういう、カッコイイこと言うの恥ずかしいんですけど……先に言っておくと後で楽かな、と思いまして。どうぞ最後まで楽しんでいって下さい」。大舞台にもかかわらず、スカしたようなことを言う小出である。さて、ベーシスト/関根のボーカルがフィーチャーされた“LOVE LETTER FROM HEART BEAT”から演奏が再開され、ベボベのサウンド・バリエーションの広さがガッチリと提示された“ヘヴンズドアー・ガールズ”、小出と湯浅の攻撃的なギター・フレーズが交錯する“つよがり少女”と、新旧織り交ぜての楽曲が次々に披露される。巨大なスクリーンや派手なレーザーなどが盛り込まれているものの、ベボベの楽曲のポップ・センスとダイナミックなグルーヴを基本軸に据えたライブ、という姿勢には揺らぐところがない。
「17歳で初めて体育館でやって、ここ(武道館)までくるのに8年ちょっとですか。このおっさん(堀之内)は当時好きだった女の子にフラレたりして、いろいろ変わりましたね。将平(湯浅)! なんで武道館まで来てマイクねえんだよ! どれだけ喋る気ないんだ。(振り向く)おれ関根のそういう笑顔、一番嫌い! 楽屋ではもっと下品な笑い方するじゃん」。何か悪いものでも食ったのか小出、ひとしきりメンバーを罵倒し始める。多分、高校時代からのバンドの道程に思いを馳せ、その道程を共に歩んできたことの感慨に一人で恥ずかしくなったりしているのだと思う。勝手な男だ。なんでこんなに偏屈で身勝手な男から、あの瑞々しくてキラッキラなメロディの数々が生まれてくるのだろうか。「それこそ10代のときは友達もろくに作ろうとしなかったけど、今は自分から入っていくようになったじゃん。こいちゃんカッコいい!」と堀之内がフォローする。「じゃあ変わった部分もあるけど、基本的には変わらないってことで。僕がそんな 17歳のときに書いた曲を聴いて下さい。“ホワイトワイライト”」。ドラマティックな、柔らかいメロディが溢れ出す。それこそこういった黄金の小出節は、もしかすると若かりし頃から彼が抱えてきた、鬱屈したコミュニケーション願望の形そのものなのではないだろうかと思う。
「ハイではここでスペシャル・ゲストのウインク・スナイパーさんでーす!1年ぶりぐらいですねー。ちょっと太りました?」と武道館で全国のウインクスナイパー・ファンの殺意を買うことになった小出。一方のウインクスナイパーさんはピース・サインと笑顔を絶やさずに受け応えする。さすがにプロフェッショナルである。ここでウインクスナイパーさん、「武道館で、激アツだわー!」「あけましての、おめでただわー!」「あのカップル、アツアツだわー!」「あいつ、お偉いさんのオッサンだわー!」「マネージャーが、カンカンだわー!」と必殺の萌えボイスでコールを連発。となれば当然、関根リード・ボーカルの “WINK SNIPER”である。関根、ピンク色のレーザーを浴びながらモニターの上にまで乗り上がってノリノリだ。更には恒例、湯浅のダンス・パフォーマンス・タイムへと突入するのだが、袖に引っ込んだ湯浅がなかなか登場しない。延々と続く堀之内のドラム・ソロの中で小出は「将平、まだかよー!」としびれを切らしている。そのとき、ステージ左右の巨大モニターに湯浅の顔が大映しになってオーディエンスの爆笑が巻き起こった。なんと湯浅、楽屋で升酒を煽っているのである。ステージ方向に駆け出した湯浅をカメラが追い、遂にステージに登場すると大喝采。酒も入って上機嫌の湯浅、踊り狂う。さすが武道館公演だ。時間とスペースを贅沢(無駄)に使いまくっている。
“SAYONARA-NOSTALGIA”を披露したのち、小出はこんな話を始めた「17歳のときに僕はこのバンドを始めて、つまり17歳の1年というのは僕にとって人生の転機になった年で、彼女と陽炎の立ち上る坂道をヒイヒイ言いながら登ったこととか、色素の薄い彼女の髪が夕陽に照らされて透き通るようだったこととか、親に内緒で二人で自転車に乗って遠乗りしたこととか、そういうことが全部、今の僕を形作っているのではないかと思います」。そして歌われたのは“17歳”ではなく“BREEEEZE GIRL”であった。消えないあの夏の匂い、色、暑さ。小出節のこういった曲に染み付いたものに触れると、これから先の人生にそれより大事なものがあるのだろうかと思う。でもそれをまた求めていってしまうことからも、逃れられないのだろうなと思う。
ここから終盤にかけては、ベボベ流ダンス・ロックの本領がこれでもかと畳み掛けられていった。“Stairway Generation”“海になりたいpart.2”“CRAZY FOR YOUの季節”“LOVE MATHEMATICS”。結局、どこの舞台に立っても自分たちはこれをやるし、これをやらせたら最高のバンドなんだと言わんばかりの大放出っぷりである。ダンス・ビートがデフォルトでロックのビートになっている世代。彼らにはそのビートの上で歌わなければならないことが、まだ山ほどある。「始まるまではすごく緊張していたんですけど、今まで何で自分が音楽をやってきたのか、とか、そういうものを越えたところで楽しんでいる自分がいました。これが武道館の楽しさだと思いました。また会おうぜー!」という小出の言葉から本編最後の“ELECTRIC SUMMER”のイントロが鳴り響き、同時にリボンを放出するキャノン砲が発射される。踊るアリーナ席一面に金銀のリボンが揺れて、とても奇麗だ。それにしても、今回の公演はアリーナまで座席が用意されていたのだが、誰も彼もが最後まで踊っているのでまるで意味ナシである。
「入れようと思えばもっと入るんですよ。別に武道館に立つことが目標じゃなかったけど、いつでも武道館を一杯にできるようなバンドになろうと思いました」。アンコールに応じて姿を現した小出が、そう語っていた。“夕方ジェネレーション”“BOY MEETS GIRL”という大ぶりなグッド・メロディが場内を満たし、「ギター・湯浅将平! ドラムス・堀之内大介! ベース・関根史織! ボーカル/ギター・小出祐介! 以上4名が、以上4名だけが、Base Ball Bearでした!」というメンバー・コールが成されたとき、今回の公演の成功は確定していた。セカンド・アンコールの“祭りのあと”の狂騒ぶりについては、敢えて触れるまでもないだろう。
終演後、巨大スクリーン上に緊急告知がなされていた。この武道館公演を明けての1月4日、下北沢のライブ・ハウスGARAGEにて、急遽ベボベのワンマン公演が行われるという。18:00開演。終わらない17歳の夏を生きている彼らには、どうやらまだ正月は訪れないようだ。(小池宏和)
セットリスト
1.ドラマチック
2.SOSOS
3.YUME is VISION
4.changes
5.LOVE LETTER FROM HEART BEAT
6.ヘヴンズドアー・ガールズ
7.つよがり少女
8.4D界隈
9.ホワイトワイライト
10.GIRL OF ARMS
11.WINK SNIPER
12.SIMAITAI
13.SAYONARA-NOSTALGIA
14.BREEEEZE GIRL
15.Stairway Generation
16.海になりたい part.2
17.CRAZY FOR YOUの季節
18.LOVE MATHEMATICS
19.ELECTRIC SUMMER
アンコール
20.夕方ジェネレーション
21.BOY MEETS GIRL
アンコール2
22.祭りのあと
三が日にめでたく、初の武道館単独公演という舞台に上がることとなったBase Ball Bear。ステージには大きな日の丸のバックドロップ、そして「LIVE;(THIS IS THE)BASE BALL BEAR」の公演タイトルが燦然と輝いている。小出は序盤のMCで「まあ僕としては2009年の12月34日みたいな気持ちなんですが」と言っていて、確かに正月気分ではなかっただろうし気持ちも休まらなかったはずだが、ロック・リスナーとしてはこういうライブが観れるということは大変に幸先がいいというか、客入れSEにフジファブリックの曲が流されていたりもするので余計に、頼むぞベボベ、という気持ちになってしまったりするのである。
唐突に場内の照明が落とされて大きな歓声が沸き上がり、4人のメンバーが晴れの舞台に登場する。小出が「ブドウカーン!!」といきなり雄々しいシャウトをぶちかまし、まずは“ドラマチック”からの演奏開始だ。オーディエンスは飛び上がりながらの盛大なハンド・クラップとシンガロングで、急激な上昇線を描くバンド・アンサンブルに喰らいついていく。《あぁ、熱くなれるだけ 熱くなりたい》というフレーズが、真冬の館内に充満する思いとシンクロするようだ。そして“SOSOS”ではステージ後方から放射される真紅のレーザーがダイナミックなロック・コンボを援護射撃し、湯浅の情感溢れるギター・イントロに導かれてスタートした“changes”はまさしく変革の瞬間を告げるように鳴り響く。ドラマー/堀之内はそのダンス・ビートを刻みながら、嬉しそうに笑顔を見せるのだった。
「今日は全力で駆け抜けて、最後には伝説にしたいと思ってますんで。……ひとつ言っていいですか?今日、親が観に来てるんですよ。なのでこういう、カッコイイこと言うの恥ずかしいんですけど……先に言っておくと後で楽かな、と思いまして。どうぞ最後まで楽しんでいって下さい」。大舞台にもかかわらず、スカしたようなことを言う小出である。さて、ベーシスト/関根のボーカルがフィーチャーされた“LOVE LETTER FROM HEART BEAT”から演奏が再開され、ベボベのサウンド・バリエーションの広さがガッチリと提示された“ヘヴンズドアー・ガールズ”、小出と湯浅の攻撃的なギター・フレーズが交錯する“つよがり少女”と、新旧織り交ぜての楽曲が次々に披露される。巨大なスクリーンや派手なレーザーなどが盛り込まれているものの、ベボベの楽曲のポップ・センスとダイナミックなグルーヴを基本軸に据えたライブ、という姿勢には揺らぐところがない。
「17歳で初めて体育館でやって、ここ(武道館)までくるのに8年ちょっとですか。このおっさん(堀之内)は当時好きだった女の子にフラレたりして、いろいろ変わりましたね。将平(湯浅)! なんで武道館まで来てマイクねえんだよ! どれだけ喋る気ないんだ。(振り向く)おれ関根のそういう笑顔、一番嫌い! 楽屋ではもっと下品な笑い方するじゃん」。何か悪いものでも食ったのか小出、ひとしきりメンバーを罵倒し始める。多分、高校時代からのバンドの道程に思いを馳せ、その道程を共に歩んできたことの感慨に一人で恥ずかしくなったりしているのだと思う。勝手な男だ。なんでこんなに偏屈で身勝手な男から、あの瑞々しくてキラッキラなメロディの数々が生まれてくるのだろうか。「それこそ10代のときは友達もろくに作ろうとしなかったけど、今は自分から入っていくようになったじゃん。こいちゃんカッコいい!」と堀之内がフォローする。「じゃあ変わった部分もあるけど、基本的には変わらないってことで。僕がそんな 17歳のときに書いた曲を聴いて下さい。“ホワイトワイライト”」。ドラマティックな、柔らかいメロディが溢れ出す。それこそこういった黄金の小出節は、もしかすると若かりし頃から彼が抱えてきた、鬱屈したコミュニケーション願望の形そのものなのではないだろうかと思う。
「ハイではここでスペシャル・ゲストのウインク・スナイパーさんでーす!1年ぶりぐらいですねー。ちょっと太りました?」と武道館で全国のウインクスナイパー・ファンの殺意を買うことになった小出。一方のウインクスナイパーさんはピース・サインと笑顔を絶やさずに受け応えする。さすがにプロフェッショナルである。ここでウインクスナイパーさん、「武道館で、激アツだわー!」「あけましての、おめでただわー!」「あのカップル、アツアツだわー!」「あいつ、お偉いさんのオッサンだわー!」「マネージャーが、カンカンだわー!」と必殺の萌えボイスでコールを連発。となれば当然、関根リード・ボーカルの “WINK SNIPER”である。関根、ピンク色のレーザーを浴びながらモニターの上にまで乗り上がってノリノリだ。更には恒例、湯浅のダンス・パフォーマンス・タイムへと突入するのだが、袖に引っ込んだ湯浅がなかなか登場しない。延々と続く堀之内のドラム・ソロの中で小出は「将平、まだかよー!」としびれを切らしている。そのとき、ステージ左右の巨大モニターに湯浅の顔が大映しになってオーディエンスの爆笑が巻き起こった。なんと湯浅、楽屋で升酒を煽っているのである。ステージ方向に駆け出した湯浅をカメラが追い、遂にステージに登場すると大喝采。酒も入って上機嫌の湯浅、踊り狂う。さすが武道館公演だ。時間とスペースを贅沢(無駄)に使いまくっている。
“SAYONARA-NOSTALGIA”を披露したのち、小出はこんな話を始めた「17歳のときに僕はこのバンドを始めて、つまり17歳の1年というのは僕にとって人生の転機になった年で、彼女と陽炎の立ち上る坂道をヒイヒイ言いながら登ったこととか、色素の薄い彼女の髪が夕陽に照らされて透き通るようだったこととか、親に内緒で二人で自転車に乗って遠乗りしたこととか、そういうことが全部、今の僕を形作っているのではないかと思います」。そして歌われたのは“17歳”ではなく“BREEEEZE GIRL”であった。消えないあの夏の匂い、色、暑さ。小出節のこういった曲に染み付いたものに触れると、これから先の人生にそれより大事なものがあるのだろうかと思う。でもそれをまた求めていってしまうことからも、逃れられないのだろうなと思う。
ここから終盤にかけては、ベボベ流ダンス・ロックの本領がこれでもかと畳み掛けられていった。“Stairway Generation”“海になりたいpart.2”“CRAZY FOR YOUの季節”“LOVE MATHEMATICS”。結局、どこの舞台に立っても自分たちはこれをやるし、これをやらせたら最高のバンドなんだと言わんばかりの大放出っぷりである。ダンス・ビートがデフォルトでロックのビートになっている世代。彼らにはそのビートの上で歌わなければならないことが、まだ山ほどある。「始まるまではすごく緊張していたんですけど、今まで何で自分が音楽をやってきたのか、とか、そういうものを越えたところで楽しんでいる自分がいました。これが武道館の楽しさだと思いました。また会おうぜー!」という小出の言葉から本編最後の“ELECTRIC SUMMER”のイントロが鳴り響き、同時にリボンを放出するキャノン砲が発射される。踊るアリーナ席一面に金銀のリボンが揺れて、とても奇麗だ。それにしても、今回の公演はアリーナまで座席が用意されていたのだが、誰も彼もが最後まで踊っているのでまるで意味ナシである。
「入れようと思えばもっと入るんですよ。別に武道館に立つことが目標じゃなかったけど、いつでも武道館を一杯にできるようなバンドになろうと思いました」。アンコールに応じて姿を現した小出が、そう語っていた。“夕方ジェネレーション”“BOY MEETS GIRL”という大ぶりなグッド・メロディが場内を満たし、「ギター・湯浅将平! ドラムス・堀之内大介! ベース・関根史織! ボーカル/ギター・小出祐介! 以上4名が、以上4名だけが、Base Ball Bearでした!」というメンバー・コールが成されたとき、今回の公演の成功は確定していた。セカンド・アンコールの“祭りのあと”の狂騒ぶりについては、敢えて触れるまでもないだろう。
終演後、巨大スクリーン上に緊急告知がなされていた。この武道館公演を明けての1月4日、下北沢のライブ・ハウスGARAGEにて、急遽ベボベのワンマン公演が行われるという。18:00開演。終わらない17歳の夏を生きている彼らには、どうやらまだ正月は訪れないようだ。(小池宏和)
セットリスト
1.ドラマチック
2.SOSOS
3.YUME is VISION
4.changes
5.LOVE LETTER FROM HEART BEAT
6.ヘヴンズドアー・ガールズ
7.つよがり少女
8.4D界隈
9.ホワイトワイライト
10.GIRL OF ARMS
11.WINK SNIPER
12.SIMAITAI
13.SAYONARA-NOSTALGIA
14.BREEEEZE GIRL
15.Stairway Generation
16.海になりたい part.2
17.CRAZY FOR YOUの季節
18.LOVE MATHEMATICS
19.ELECTRIC SUMMER
アンコール
20.夕方ジェネレーション
21.BOY MEETS GIRL
アンコール2
22.祭りのあと
2009年09月03日 (木) 15:18
欽ちゃん来季限りで茨城GG勇退へ
9月3日8時0分配信 スポーツ報知
社会人野球クラブチームの茨城ゴールデンゴールズ(GG)を率いる萩本欽一監督(68)が2日、来年限りで勇退する決意を固めた。都内でイベント終了後に明かした。
「全国を逃したけど、『また来年もある』っていうのがよくない。来年で区切りをつけて、やめようと思っています」と欽ちゃん。4日に開幕する全日本クラブ野球選手権(西武D)への出場権がかかった5月の北関東大会代表決定戦で、ボクシング元WBC世界ライト級王者のガッツ石松(60)が総監督を務める「ガッツ全栃木野球クラブ」に逆転負け。同選手権3連覇に挑むはずが、05年の創設以来初めて全国の舞台を逃した。
「思い残すことはありません! 来年はこういう言葉を残したいね。がけっぷちで魂の込もった野球がしたいよ」とラストイヤーにすべてをかける。














